「宣伝ばかりする会社」というイメージを
与えずに宣伝する

 前述であえてやってみた「自社製品の宣伝」ですが、これがプレゼンの大半を占めてしまうと、確実に参加者の満足度は下がります。

 今回のイベントでは、マイクロソフト社員だけではなく、パートナー企業様や顧客企業の方々にも数多く登壇いただきました。その中には、どうしても製品やサービスの紹介をしなくてはならない立場の人もいるのですが、相手が興味を持って聞いてくれなければどうにもなりません。せっかくの機会が、自社のファンを作るどころか「宣伝ばかりする会社」というイメージを植え付けてしまうかもしれないのです。

 このような事故を避けるためには、与えられた時間の中で「相手の共感を得るパート」と「その共感の延長線上での製品・サービスの説明」がなければ、どうしても独りよがりな印象を与えてしまうことになります。

 私がよく使う一つの方法が、「参加者のほとんどが該当しそうな『あるあるストーリー』を差し込む」というものです。今回、私のプレゼンテーションの最初のパートは「エンジニアあるある」を三連発で紹介しました。

 以下、誌面で再現しますと…

------------
「なるはやでチャチャっとやっておいて」
「いい感じに仕上げておいて」
「これあんまり動かないんだけど」

 こんなことを言われた経験のあるエンジニアの方、いらっしゃいますよね?

 抽象的過ぎて、どのくらいのレベルのものを求められているか、さっぱりわからないのではないでしょうか?
これはマネジメントが足りていない状態です。では、エンジニアに必要なマネジメントについてこれからお話しさせていただきます。
-------------

 こんな感じです。上記の「あるある」には、たいていのエンジニアが合致します。「心を一つにする」ということができるわけです。

 おかげさまで、ここから先は「私は皆さんの側に立っている人間ですよ」というトーンで話し続けることができました。自社のアピールや製品の紹介の前に、いかにして共感を得るかを考えることが重要であると再認識しました。