官邸との距離や人事権の問題から
疑われてしまう財務省

文科 まあまあ、そんなに熱くならないで(苦笑)。

財務 どこかのジャーナリストが、背景に「清和会VS二階派の構図がある」と言っていましたが、どうなんでしょう。前川さんの実妹が中曽根弘文元文科相に嫁いでいることを考えれば、中曽根派の系譜に連なるので、二階派が裏で糸を引いているというは、ちょっと違うかなという気もするんですが。

文科 前川さんの暴露は、政治的な思惑と無関係だと思いますよ。単純に官僚としての“矜持”の問題だと、僕は信じています。

経産 でも、前川さんの場合は、再就職できなくても全くお金に困らないですよね。お家柄がいいから。だから報じられているように、ボランティアでの仕事もできるわけで…。そうなると、やっぱり政治的な動きが存在したのではないかと勘ぐられても仕方ないですよねぇ。

 財務省は、最近、岸田派系との距離を急速に縮めていますよね。岸田文雄外相は、リーダーシップに欠ける印象が強いと批判は浴びていますが、次の総理候補の一番手。そうした機敏な動きを見るにつけ、やっぱり財務省が、裏で操っている感じがして仕方がないんですけど(笑)。

財務 確かに、「財政健全化」という意味では、“我が社”と岸田さんとでは考えが近いでしょうが、それ以上でもそれ以下でもありませんよ。私は、政治的な動きではなくて、「何か隠さなければならない重大なことがあった」から、この時期に前川さんは暴露したのではないかと見ています。「出会い系バーへの出入り」よりもっと大きな問題が背景にある気がしてなりません。あくまで憶測ですけどね。

──政治絡みでないとすれば、「人事」が背景にあって、財務省が動いたと考えられませんか。“政”と“官”、もっと言えば“官邸”と“霞が関”との関係は、3年前に設置された「内閣人事局」によって、やはり大きく変わりましたし。

経産 確かに、“一強”だった財務省の力がそがれたのは、今井秘書官などの「人」が原因なのではなく、幹部の「人事権」を官邸に奪われてしまったことにあります。

財務 実際、そうでしょうね。その影響で、“我が社”は力を失ったわけです。うちの幹部には、「官邸の手先として働いております」などと、自嘲気味にあいさつをする人もいるぐらいですからね。

経産 財務省さんは、着々と巻き返しを図っていますよね。菅官房長官も、財務省出身の秘書官をかなり重用していると聞いていますよ。それにしても、政権が現状のままだと、文科省幹部は今期もさることながら、来年の人事が心配でならないでしょうね。

文科 うーん…、答えに困りますねぇ。

財務 今年は、前川チルドレンたちも守られているように見えるけど、実際人事が発令されれば旧科技庁系が重用される、ということも十分あり得る話だと思いますよ。恐らく安倍政権はしばらく続きますからねぇ。

──“前川の乱”は、文科省の今後の人事に憂いを残してしまったと。

文科 おっしゃるように省内のパワーバランスは変わってしまうかもしれませんね。