じつは、このように考えたとしても、骨はゆがまないのです。相手のことを顔も見たくないほどきらいだったとしても、です。あるいは「あいつきらいだ~!」という感情で心がいっぱいになり、強いストレスを感じたとしても、それが原因で骨がゆがむことはほとんどないのです。

(2)骨がゆがむストレスとは

 では、骨がゆがむストレスとは、どのようなものなのでしょうか。

 先ほどと同様に、きらいと感じている人が前から歩いてくることを想像してください。そして、つくり笑顔であいさつをするところまでは同じです。

 「おはようございます」「おはよう」

 違うのは、ここから。あいさつをした瞬間に、心のなかで、「あ~、わたし、またこの人のことをきらいだなんて思ってしまった…。なんて心の狭い人間なんだろう。人には、よいところもあれば悪いところもある。でもわたしは、悪いところにばっかり目がいってしまう。この人のことをダメな人、苦手な相手と決めつけてしまっている…。こんなことではいけない。こんどこの人に会ったとき、イヤなヤツに会ったなんて思わないようにしよう」などと、人をきらったこと自体を深く反省し始めると、なんとこの人の骨はゆがんでくるのです。

 ここで、ふたつのストレスの違いを整理します。

(1)骨がゆがまないストレス
 この人がきらいという感情を、自分の意志の力で操作しようとはしません。きらいと感じたら、感じっぱなしです。そのかわり、そうした感情の表現方法やタイミングを、理性でコントロールしています。

(2)骨がゆがむストレス
 自分のなかから人をきらうという感情そのものをしようとします。この場合、感情の表現方法やタイミングを、理性でコントロールしようという行為はしていません。なぜなら、きらいという感情を、なかったことにしようとしているわけですから。

 ふたつのストレスをくらべると、「骨のゆがむストレスを発生させている人のほうが、人として努力をしているのに」と思われるかもしれません。

 でも現実には、自分の感情を消そうと努力している人のほうが、骨をゆがめてしまうのです。