前回では、ねたみの感情が前頭骨をゆがませ、さらに鼻炎を引き起こすとご紹介しました。今回は、背中の痛みとの関係についてご説明しましょう。

背中の痛みのメカニズム

 ここで、前頭骨がゆがむと背骨の湾曲がなくなるというメカニズムを見てみましょう。

 頭蓋骨は、息を吸うときにふくらみ、息をはくときにしぼむという動きをくりかえしています。そして、前頭骨のプニッとなる動きは、頭蓋骨をふくらませる動きでもあります。

 頭蓋骨には、仙骨とつながっているオタマジャクシのような形の硬膜がくっついています。頭蓋骨がふくらむと、硬膜もいっしょにふくらみます。

 オタマジャクシ形の頭の部分がふくらみ、尻尾の部分が上のほうにグググッともちあげられ、そこにくっついている仙骨もいっしょに上へグググッともちあげられるのです。

 仙腸関節が、L字のような形をしているため、その関節にそって仙骨が上にもちあげられると、仙骨は、直立の状態になります。逆に息を吐くときは、元の位置に戻り、仙骨は寝ている状態になります。

 つまり、前頭骨がゆがんでいる状態というのは、仙骨が直立の状態が長く続くということです。

 仙骨は背骨の土台。仙骨が直立不動になっていると、背骨は生理的な湾曲を保つことができなくなり、背骨がまっすぐになってしまいます。

 すると、背骨にある胸椎という部分の骨と骨のあいだが狭くなってしまうため、肩甲骨と肩甲骨のあいだの背骨をさわると痛むのです。

     ◎呼吸での頭蓋骨と仙骨の変化        ◎胸椎の湾曲と背中の痛みの関係