※写真はイメージです

「痛みが和らぐお産」として、無痛分娩を選ぶ妊婦が増える一方で、母親が死亡する事故が相次いでいる。無痛分娩は本当に安全なのか、なぜ事故が起きているのか。かつて陣痛促進剤による被害で長女を失い、医療事故や薬害の再発防止に向けた市民運動に取り組む勝村久司氏が報告する。

無痛分娩を選択すると
子宮収縮薬が投与される

 無痛分娩で、母親が死亡する事故が相次いで報道されています。

 事故の原因は大きく分けて二つです。一つは、「麻酔」による事故。もう一つは、無痛分娩で使用されることが多い「子宮収縮薬(陣痛誘発剤・陣痛促進剤)」による事故です。

 共通しているのは、従来からリスクの高さが指摘されているそれら二つの医療介入をするにもかかわらず、(1)十分な体制がとられていない、(2)十分な監視がされていない、(3)急変時に適切な対応ができていない、そして、(4)麻酔や子宮収縮薬のリスクを妊婦や家族に十分に説明していない、という四つの点です。子宮収縮薬に関しては使用すること自体の説明さえなされていないケースもあります。

 無痛分娩は、「痛みが和らぐ」という違いがあるだけで、あとは本来の自然なお産が進む、と思われがちですが、決してそうではありません。

 無痛分娩を選択した時点で、多くの場合、子宮収縮薬(陣痛誘発剤・陣痛促進剤)が使用されることになり、本来進むはずだった自然なお産の道筋からは外れてしまいます。

 自然な陣痛が起こる前に、薬で陣痛を誘発(計画分娩)したり、陣痛が始まった後に、薬で陣痛を促進するなどの措置がなされることが多いからです。