新興国の建機需要などを追い風に、昨年度、過去最高益を達成したKYB(カヤバ工業)は今年5月、売上高を10年で倍増するアグレッシブな計画をぶち上げた。臼井社長に、次の10年を見据えた新たな挑戦への意気込みを聞いた。
(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 松本裕樹)

KYB 臼井政夫社長インタビュー<br />現地調達率を大幅に引き上げ<br />海外で稼げる体質を構築するPhoto by Toshiaki Usami

 当社はこれまで、保守的で手堅い経営を行ってきた。それゆえに「石橋をたたいて渡らない会社」とまでいわれた。だが、これからは、石橋をたたく間もなくどんどん渡っていく。

 国内市場がジリ貧をたどるなか、もはや海外で稼がなければ成長できない。そのためには従来の日本国内を中心とした意思決定のあり方を変え、市場のスピードに対応しなければならない。

 加えて、今の経営陣は「イケイケドンドン系」だ。とにかく一歩前に出ようという意識を高めていきたい。

 昨年度の売上高は3200億円だったが、2020年度には6000億円に倍増する。格付けも現行のB格からA格へ引き上げたい。

 自動車関連事業については、世界5拠点の開発体制を強化し、各国市場に合った品質とコストの製品をタイムリーに供給する。

 建機関連事業については、世界市場の6割を占める中国市場を攻めていくことが不可欠だ。現在のところ、建機メーカーからの需要に十分には応えられていない。今後は中国での増産体制を強化していく。