昨秋来の「QE2相場」で、主役となったのは外国人だった。東証の投資主体別売買動向を見ると、外国人は昨年9月から今年6月まで5兆5438億円という大幅な買い越しであった。日経平均株価が8000円台から1万円の大台に上昇したのも、外国人の買いが原動力となったわけである。
その外国人投資家を地域別に見ていくと、大きな変化があることがわかる。昨年1年間の地域別売買動向を見ると、買い越し額は①北米1兆6228億円、②欧州1兆0514億円、③アジア3942億円である。これまで同様、欧米勢が中心であった。しかし、今年1~6月の地域別売買動向では、米国1兆7912億円、欧州1兆1013億円の買い越しに対して、アジアは9700億円の買い越しと、アジアは欧州と遜色のない存在感を示した。
このアジアマネー台頭の背景には、積み上がった膨大な外貨準備高がある。中国の人民元が典型だ。人民元は基本的には党・政府、中国人民銀行の意向が反映された管理通貨である。人民元高が進行した場合には、その動きを抑制するために、ドル買い人民元売りを実施する。折からの世界的なドル安に対しては、恒常的にドル買い人民元売りが実施され、外貨準備高が膨張を続ける構造になっている。