「氷上のアクトレス」と呼ばれ、日本中のスポーツファンを虜にした選手がいる。女子フィギュアスケートの村主章枝さん、目下現役最年長のフィギュアスケーターだ。世界的な大会で数々の輝かしい成績を残した村主さんは、昨年、企業PRやアスリートのマネジメントを手がけるサニーサイドアップに入社。現在は会社員として働きながら、スケーターとしても活動を続けている。彼女はなぜ、ビジネスの世界へ飛び込んだのか、そしてなぜスケートを続けるのか。近況と将来の目標について、詳しく聞いた。彼女の言葉は、同世代のキャリアウーマンたちが人生を問い直す上で参考にすべき、多くの示唆に富んでいる。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也)
やはり自分はスケートを続けたい
現役続行のために一般企業の門を叩いた
Photo by Toshiaki Usami
――村主さんは、日本を代表するフィギュアスケート選手の1人として、数々の実績を残してきました。 現在は、サニーサイドアップで一般社員として働きながら、スケーターとしての活動を続けていると聞きます。新しい人生を歩み始めたきっかけは何ですか。
フィギュアスケートは活動資金がかかるため、これまで両親に資金援助をしてもらっていましたが、そろそろ頼ってばかりはいられない状況になっていました。2010年冬のバンクーバー五輪の選考に落ちてしまったことを機に、「スケートを止めるべきか、それとも続けるべきか」と悩みました。
だけど自分としては、やはりスケートを続けたい気持ちが強かった。そこで、「自分で働いて資金を何とかできる限りは、スケートを続けよう」と決心し、現役続行会見を開きました。
サニーサイドアップとの出会いは、そんなときでした。この会社は、サッカーの中田英寿選手をはじめ、アスリートのマネジメントに定評があります。また私自身、スポーツ関連のビジネスに興味がありました。
会社を訪れて面接を受けたところ、運よく次原悦子社長がいらっしゃって、採用していただいたのです。次原社長はこの業界の有名人で、すごくパワフルな方。私は社長に救っていただいたと思っています。