書斎やキッチンを家から追い出す「時間・空間の経済革命」が始まる

特集「宅配クライシス」ではこれまで、第三者と同じ時間に同じ場所にいなければならない「同時性」が解消されることで、宅配ビジネスは変化しなければならないと論じてきた。しかし「同時性」の解消は、宅配のみならず、われわれの生活全般にも影響を及ぼしそうで、そこにはビジネスチャンスが眠っている。(フロンティア・マネジメント代表取締役 松岡真宏)

 特集「宅配クライシス」では、これまで宅配ビジネスをテーマに、第三者と同じ時間に同じ場所(電話などバーチャルなものも含む)にいる状態である「同時性」という概念について詳述してきた。
 
 特集の第2回(「宅配便は消費者が『取りに行く』ことで、送料を下げて量にも対応できる」)で述べたように、電話や対面でのコミュニケーションは、「同時性」が要求される。これは、現代のビジネスパーソンにとって極めて贅沢で貴重な時間の使い方であり、双方にとって価値の大きな情報のやり取りに限定すべきことである。一方で、片方あるいは双方にとって価値の小さな情報のやり取りに関しては、「同時性」が解消されたメールやSNSでのコミュニケーションの方が優れている。