謝罪のできない人間は、必ず大きな「挫折」を味わう
ただし、こちらに非があるときは100%謝罪することが鉄則です。
謝罪することで、相手の信頼をつなぎとめることができますし、再び建設的な関係に立ち戻る可能性が生まれるのです。逆に、謝罪すべきときに謝罪できない人間は、必ずいつか大きな挫折に遭遇します。
それを痛感したエピソードを話しましょう。
先ほどの事件の数年前、私がそのゴルフクラブの理事を務めていたころの話です。
ある日本の大企業の現地法人の経理部長だった男性が、ゴルフ場でプレイをしていたときに、前の組がグリーンでパットを打っていたところにボールを打ち込んでしまったことがあります。もちろん、その男性もわざとやったのではなく、ボールを打ってもグリーンには届かないと思っていたのでしょう。
それでも、危険な目にあわせたことに間違いはないので、普通は謝罪をします。それが、当然のマナーです。ところが、その男性は打ち込まれた人たちが次のホールに移るときにこそこそと現れて、自分のボールを拾って別のホールに行ってしまったのです。これは、紳士のスポーツであるゴルフでは許されない行為。打ち込まれた人にその姿を見られていたために、彼らの激怒を買う結果となったのです。
私はちょうどその日、友人と一緒にゴルフ場を回っていて、終わった後にクラブハウスでお酒を飲んでくつろいでいました。すると、打ち込まれた人たちがやって来て、怒り心頭といった様子で日本人男性の行為に抗議。私は理事でしたから、「申し訳ございません。私から厳重に注意いたします」と謝ると、ようやく彼らも気持ちを収めてくれました。