「社長をはじめ上司の仕事の仕方に非常に問題があります。実は入社前にお会いした時から様子がちょっとおかしいと感じていたのですが、その時に熟考せず自分のなかで問題をあいまいにしたまま入社を決めてしまったのです。ですから私の判断ミスでもあるのですが、このままでは過大な業務を押し付けられて身体を壊しそうな職場だったので、早めに撤収することにしました」

こんな伝え方をするとよいと思います。

他責軸の人は
経営者に嫌われる

 退職理由に前職の会社の問題を挙げている候補者の話を聞いていると、ほとんどの人が「社長が悪い」「上司が悪い」と他責的な話に終始します。しかし100%相手が悪いということは世の中にあまりありませんし、聞いている側は「では、あなたの責任はないのですか?」と思わせられることが少なくありません。

 何より自責軸で考えることが重要なのは、それがないと個人の仕事のみならず、会社、業界のサービスや商品がよくならないからです。

 常日頃から仕事のなかで「取引先がミスをした」といった事態に直面することはたくさんあるでしょう。その際に、「こちらの発注の仕方があいまいではなかったか」「あのタイミングで確認の電話を1本入れておけばミスを防げたのではないか」などのように、ミスの原因と防止方法を考えられないと、仕事は進化していきません。

「取引先が全部悪いんだ!」で済ます人や会社はよくならないし、やはりそういう体質が染みついている業界は発展していきません。

 昭和時代の経営コンサルタントとして著名な一倉定(いちくら・さだむ)先生は「電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任である」と述べていました。要するに、すべて自分の責任と思える人でなければ社長は務まらない。微塵でも他責軸発想を持っている社長は会社を潰す。それくらい社長業は大変なのだ、という話です。

 もちろん社員にそこまで求めるわけではありませんが、自責軸で考える視点のない人には成長がありません。そして経営者は他責軸の人に強い拒否感がありますから、転職活動という観点でも明らかにマイナスです。

 面接では小手先で自責な話をすればクリアできるだろうと甘く見ていると、自分の言葉で語れないから面接官はすぐに見抜いてしまいます。