あの業界に行って、売れよう。そしたら、諦めがつく。だから、しょうがなかったんじゃないかってそう思ってしまったほうが、いっそ、納得がいく。
私は、性という欲が怖い。性が怖いなら、そこに私を投げてしまえ。荒療治って言うけど、きっとそれだ。
(大塚咲『よわむし』より)
しかしデビュー作のギャラを巡り事務所と意見が合わないこともあった大塚さんには、出演依頼が来るのはハードな作品ばかりだった。
演技のスイッチは入るものの、「2人の男優に襲われ、髪をつかまれたり頬を叩かれてのレイプ」シーンなど、トラウマをえぐる撮影現場にも遭遇した。雑誌のグラビア撮影現場では、カメラマンに脅されてレイプされたこともあったそうだ。
23歳のとき、当時のマネージャーとの間に子どもができて結婚した。だがこの時点では引退せず、産後3ヵ月でAVに復帰し、以降大塚さんの出演作はヒットしだした。
念願の人気女優となり2012年に引退するが、デビュー作から一貫して「レイプ」と書かれたタイトルには出演していない。理由は「そのジャンルの存在自体に、強烈な嫌悪感と拒絶感があったから」だと明かした。