4期連続赤字の中でも
モノづくり革新を続ける

 マツダは、フォードとの提携からの脱却で限られた経営資源でモノづくり革新に取り組み、その基本が内燃機関の進化であった。開発投資に余力がない、エンジニアの人材が少ないというハンディを抱えながらも内燃機関の進化を一途に進めてきたのだ。2008年度から4期連続赤字を計上するどん底の経営状況下でも「マツダモノづくり革新」として設計や開発に取り組んできた結果、2012年に「CX?5」を発売、その後、ガソリンエンジンのSKYACTIV-G、クリーンディーゼルのSKYACTIV-Dを実現させたのである。

 今回、発表した次世代エンジンSKYACTIV-Xは、このぶれないマツダのスタンスをさらに徹底させたものである。一方で、クリーン発電地域(温暖化抑制)及び政策(大気汚染抑制など)のある地域には、トヨタとの共同開発のEVを展開するというのがマツダの2030年までの計画ということになる。

 トヨタとの資本提携に踏み込んだのは、EVプラットフォーム技術協力による2019年のEV商品化や自動運転・つながるクルマといった先進技術協力でトヨタの仲間入りを果たし、マツダの将来への安定化を求めたということだろう。また、米国のトヨタと合弁工場による米現地生産化もフォードとのデトロイト郊外のフラットロック合弁生産解消で、2012年の米生産撤退以来、改めてトヨタと組んで米現地生産を復活できるということなのだ。

 フォードとの資本提携の経験を踏まえて、マツダ独自の内燃機関の進化を高く評価し、「仲間」として協業を進めるトヨタは、研究開発費においても今期1兆600億円(マツダは1400億円)に増やした。これはあらゆる先進技術への対応でのトヨタの安定感をマツダが求めたということである。

 マツダは3年後の2020年に創立100周年を迎える。トヨタとの共同会見で「独自のブランドを築き上げていく」と思いを語ったマツダの小飼社長。今回のトヨタとの資本提携効果と次世代エンジンのグローバル評価でマツダのブランド力が高まることを期待したい。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)