『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク
三田紀房の受験マンガ『ドラゴン桜2』を題材に、現役東大生(文科二類)の土田淳真が教育と受験の今を読み解く連載「ドラゴン桜2で学ぶホンネの教育論」。第114回は、国公立志望者の「私立併願」について考える。
「私は体調が悪かっただけだ」
東京大学受験を目前に控えた早瀬菜緒と天野晃一郎。早瀬が私立大学も併願受験すると言い出したことに、東大一本勝負だと思っていた天野や先生たちは驚くのだった。
国公立大学を受験する生徒にとって、併願受験をするのか、するとしてどこの大学を受験するのかは悩みの種だ。塾や学校からは、合格実績を積み増すためにたくさん受験することを勧められるかもしれないが、うのみにするのは危険だ。
まず考慮すべきは日程だ。例えば今年度の早稲田大学の政治経済学部(一般)などの入試は2026年2月20日だ。これは国公立大学の2次試験(前期日程)が始まる2月25日まで1週間を切っている。国公立が本命であれば、直前の時期に過去問対策や当日の試験で時間と体力を奪われるというのはデメリットだ。
だがそれ以上に気をつけるべきは、インフルエンザや風邪などをうつされてしまう可能性だ。早稲田の政経となれば第1志望の生徒も多い。人生一番の大勝負は、体調不良でも無理して受験する人もいるだろう。そんな中万が一にでも感染してしまうと、国公立の入試本番で発症してしまう。
当日のコンディションに影響が出るのは言うまでもなく、仮に落ちた時に原因を分析できないのも難点だ。「私は体調が悪かっただけだ」というむなしい自己弁護に陥りかねない。
同じ系統の学部なら慶應義塾大学の方が入試日程が早い傾向があるため、慶應を受験した感触次第で早稲田を受けないという選択肢もある。
受験本番に「適度な緊張感」で挑む方法
『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク
他にも、私立大学の共通テスト利用型入試を偏差値別で受けておいて、大体の立ち位置を推し量るという戦略がある。自己採点通りだったら余裕で受かっている大学に、もし万が一落ちていたら、どこかでマークミスをしたかもしれない可能性に気づけ、早めの方針転換ができる。
どうせ受かっても行かないという理由や、私大の合格を先に知ると気がゆるんでしまうから国公立一本勝負、という人もいる。だが、選択肢を増やしておくのは悪いことではない。もちろん経済的な事情で多くの学校を受験できない人もいるだろうが、可能なら1校くらいは現地で受けておくのがいい。
「たぶんここの大学には受かっているけど、確定ではない。だから適度な緊張感を持って国公立の受験に挑める」という心理状態が望ましい。
ちなみに、私が東大を受験した年は、東大受験の2日目に慶應義塾大学の一部の学部で合格発表があった。私は東大の試験が終わるまで結果を見ないようにしていたが、昼休みに慶應の不合格を知った友達もいる。メンタルが露骨にやられる人もいるため、自分の性格に合わせた併願戦略・結果閲覧戦略(?)が肝心だ。
盲点なのが、日程の管理方法だ。何月何日にどこの受験があって、結果発表はいつで、いつまでに入学金を収めて……。大学受験に限らず、入試はスケジュールがキツキツだ。本格的な入試シーズンに入るまでに、一連の日程を学校ごとにまとめて、できれば一緒の表にまとめておくのがいいだろう。
我が家では、縦軸に日付、横軸に大学名を記入した表を自作し、これらのスケジュールを家族全員が見られるようにしておいた。いずれにせよ、今できる事務作業や、学力に直接関係ない不安要素は今のうちに解消しておくのがベストである。
『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク
『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク







