総予測2026Photo by Yoshihisa Wada

ファストフード業界が好調だ。業界全体の売上高は2024年に続き、25年も前年を上回る勢いで推移した。「モスバーガー」を運営するモスフードサービスもその例に漏れず、25年3月期は増収増益、26年3月期も増収増益の予想だ。特集『総予測2026』の本稿では、同社の中村栄輔社長に好調の要因と26年の計画について聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 大日結貴)

トレンドや話題の食材を追うことから
「モス独自の良さ・おいしさ」に回帰

――2024年度決算は増収増益でした。25年度中間決算でも増収増益です。要因は?

 国内のファストフード市場は年々拡大しており、その波にうまく乗れていると思います。当社としてはマーケティングがお客さまに受け入れられたと考えています。

――具体的にどのようなマーケティング戦略を行ったのでしょうか。

 独自路線の追求から、お客さまの声をより取り入れた商品開発へと変更していたんです。そのために6年ほど前、商品部とマーケティング部を一緒にしました。

 ところが、声を聴き過ぎたことで、トレンドや話題の食材を追い掛けることとなり、他社と似た大衆的な商品ばかりになってしまいました。そこで25年4月から、以前のように部署を分け、モス独自の良さ・おいしさを追求することにしました。これがお客さまに受け入れられたのだと思います。

 他にも24年から始めたグラデーション戦略が功を奏しています。これは、「定番」「フェア(キャンペーン)」「プレミアム」と商品の価格帯を分ける戦略のことです。価格帯を分けることで、お客さまの利用動機の違いに応えることができていると感じています。

――26年の事業環境の見通しは?

独自の商品や味を追求することにしたモスフードサービスの中村社長。それがきっかけで業績は好調に推移しているが、26年は「厳しい経営」を行うと宣言。次ページでは、その真意を含め、出店や撤退に対する判断まで詳細を語る。