メルセデス・ベンツが旗艦Sクラスに大きく手を入れた。ステレオカメラの性能向上などにより先進的安全性も運転支援技術も大きくアップ。最高峰のラグジュアリーセダンの王位は揺るぎないものとなったか。
日本でも2017年8月に発表されたばかりの新しいメルセデス・ベンツSクラス。先立つ7月にチューリッヒでジャーナリスト向けの国際試乗会が開かれた。
眼目は新しいエンジンをはじめとするドライブトレインの一新。加えて電子制御技術を大幅に採用してサスペンションシステムの進化。これによって走りのよさが際立つように。
いっぽうで安全技術の改良もぬかりない。ひとつは車両や歩行者との接触を回避する技術の進歩。もうひとつは車線逸脱などを防ぎつつ、かつベストなドライビングコンディションを保ってもらうための支援技術の採用も注目だ。
チューリッヒではS560と、パワフルなメルセデスAMGのS63 4MATICに試乗した。エンジンはどちらも新開発の4リッターV8で、変速機はあらたに9段オートマチックが組み合わせられる。
この4リッターV8エンジン、S560では従来の4.6リッターに、S63 4MATICでは5.6リッターに代わるものだ。注目点は排気量が下がり、かつ気筒休止システムがついたことで燃費が向上したことだ。
どちらもパワーがあがっているのにはおどろくばかり。AMGが開発したというだけあって、パワーは335kW(455ps)から345kW(469ps)にあがっている(700Nmの最大トルクは不変)。
S63 4MATICでは430kW(585ps)から450kW(612ps)に。900Nmの最大トルクは不変。V8は日本などのマーケットで人気が高いので、よさを残しつつ、時代に合った新しい技術を盛り込んでいくのが重要ということだ。