ビジネスパーソンにすすめるのは
ゼロ・クーポン債

 では次に③を見てみましょう。

 ③はどういうものかというと、「28年5ヵ月間、年3.50%の半年複利で運用し、満期時には元本と運用益が受け取れる」というものです。

 ①と②は毎年決まった金利が受け取れましたが、③の場合は毎年の金利は受け取らず、再投資に回します。このようにして金利が金利を生むため、長期で大きく増えるのです。

 このような米国債を「ゼロ・クーポン債」と言います。クーポン(金利)がゼロなのでそのまんまですね。

※ゼロ・クーポン債は、割引債とも呼ばれます。購入時に割引いた価格で購入し(③の場合、37.19で購入)、満期には額面金額(100)が返ってくるからです。③の場合、満期時に受け取れる金額100のうち、37.19は最初に払った額なので、残りの62.81が金利収入になります。

 ゼロ・クーポン債は、資産形成期の現役ビジネスパーソンにおすすめです。毎年の金利収入はいらないから、その代わり満期時にドカンと増えて返ってきてほしい、そういうニーズに向くからです。

 ③を1万ドル(約80万円)購入したとすると、28年5ヵ月後には、2万6888ドルになって戻ってきます。3.5%という、あまり芳しくない利回りでも2倍以上になります。