夫の実家への帰省は、妻にとってストレスでしかない?

夫の実家への帰省は、妻にとっては仕事レベル

 お盆期間中は、旅行やレジャーを楽しむ人たちで、どこもごった返した。親元を離れて暮らしている人は、お盆休みを使って実家に帰省し、のんびり過ごしたかもしれない。

「やっぱり実家は落ち着くなあ」とくつろいだ人もいるかもしれないが、お盆の帰省を“めんどいイベント”と感じる人は少なくない。特に夫の実家に帰る妻たちにとって、帰省は憂鬱な行事となっているようだ。それが原因で、夫婦仲が険悪になることもある。

「ご両親に気を遣わなければいけないし、家事を手伝わなければいけないし。正直、疲れるために行っているみたいなもので、まったく休みにならない。こんなことなら会社で働いていたほうがましなので、夫と実家に給料を請求したいくらいです」(30代女性)

 せっかくの休みなのに、夫の実家でこき使われる妻は、確かに可哀想だ。しかし、妻たちの不満はそれだけではない。実家への帰省は、妻たちの不満をためるホットスポットになっているのである。お盆に帰省して以来、どうも妻の機嫌が悪い。そんなふうに不思議に思っている男性は、これを機会にぜひ実家での出来事を振り返ってみてほしい。

夫の実家で起こる、妻と夫のすれ違い

 ゲンナイ製薬が20歳~59歳の既婚男女1000人に対して実施した調査を参考に、「妻たちの不満」について考えていこう。まず、押さえておかなければならないのは、配偶者の実家に帰省することに対して、それぞれがどのような感情を抱いているかだ。

 同調査によると、配偶者の実家に帰省することを、55.4%の夫が「楽しみ」と回答しているのに対して、60.9%の妻は「気が重い」と感じている。つまり、妻にとって夫の実家に帰ることは「義務」以外のなにものでもなく、休暇や旅行といった感覚はない。夫にとっては相手の実家に行くのは気軽なイベントかもしれないが、妻にとっては苦行なのだ。

 その背景には、義父母や親戚に気を遣わなければいけないという実情がある。ジェンダーの問題についてここで詳しく論じるつもりはないが、前述の女性のように「家事を手伝わなければ」という感覚を、妻の実家で覚えた男性は少ないはずだ。家事だけではなく、あらゆる場面で気を遣うことが多い“嫁”という立場を理解しなければならない。