“逆境”はありがたい!
九紫イチローの究極マインド

 火の九紫人の意志は『9code』の中でも特に強く、逆風にもひるまず、突き進みながら戦う性格を備えています。
 その気性を存分に発している、誰もが知る“ある日本人”がいます。それが、メジャーリーガーであり、超人として知られるイチローです。

 イチローが海を渡った当初、マリナーズのルー・ピネラ監督は、
「彼はさまざまなすさまじい困難に直面しながらも見えない努力を重ねることで、それを克服していた」
 と述懐しています。

 当時、球団から好待遇だったイチローは「まだメジャーリーグで何の結果も残していない日本人のくせに大金をもらって……」と、複数人の選手から陰口を言われることや、陰湿な嫌がらせなどもあったとされます。

 日本からメジャーにいった野球選手は、そういう状況に陥るとすぐに肩身を狭くし、心を病んでしまう人も少なくありません。
 しかし、イチローは違ったのです。
 決してひるむことはなく、実力でまわりを黙らせました。

 メジャー1年目の2001年シーズン。イチローは打率3割5分をマークし、ア・リーグ首位打者に輝きました。

 すると、どうでしょう。
 イチローへの暴言も嫌がらせも、次第に減っていきました。
 それどころか、チームの核となる選手まで成り上がりました。

 イチローは自身を取り巻く逆風について、「逆風がないと、次のステップには行けない。だから逆風はありがたい」と語っています。

 まさに火の九紫人として、逆風に果敢に向き合う姿勢を見せて戦い、成功を掴み取った人物としてのふさわしい言葉です。

 誰にも屈しない強い精神力があったからこそ、イチローはスーパープレーヤーとして、世界に名をとどろかせることができたのです。