長所から「7つの役割」を考えよう

 まず気をつけていただきたいことは、「先に役割ありき」でチームをつくると失敗する、ということです。信頼関係が築けていないチームでは、役割だけを割り振っても、「助け合えるフォーメーション」とはならないのです。

 信頼関係のない組織では、立場の中にタコツボのように閉じこもり、「私はこれだけをしていればいい」と役割を盾にする人が出てくるでしょう。

 また、役割を決めつけてしまうと、「いい役」「悪い役」といった嫉妬も生まれやすくなります。役割を鼻にかけて、スタンドプレーばかりが横行するチームになったり、少しでも「いい役」に付こうと足を引っ張り合うようなチームになってしまいがちです。

 信頼関係を育てながら、互いの長所を認め合い、その長所が、どこで発揮されるかを確認し、共有する。それが、助け合えるフォーメーションへとつながっていくことを忘れてはいけないのです。

 あなたに求められる役割は、テーマとメンバー構成で変わっていきます。7つの役割は、一人に1つの役割ではなく、一人でいくつかの役割を発揮できるはずです。

 たとえば、【アイデアを出す役割】といっても、優れたアイデアを持った人もいれば、それほどではないが、ある程度役に立つアイデアを持っている人もいます。アイデアなど出せないと思い込んでいた人が、突如、すばらしいアイデアを出している自分に気づくこともあります。

 チームの中で、常にいちばん優れた人が、最高のパフォーマンスを発揮できればいいのです。しかし、現実としては、すべてのチームに最優秀な人が揃っているわけではなく、常に最高のパフォーマンスが発揮できるわけでもありません。7つの役割がすべて揃うとも限りません。チームの中での役割を考えて、組み合わせて発揮できるようにする、つまりフォーメーションを組むことが大切です。

「そこそこ果たせる役割」を持つメンバー同士だとしても、互いに足りない力を補い合うことで、チームとしての力になります。

 チーム内の「7つの役割」がはっきりしてきたら、その相関図を思い描いてみてください。その形から、今度は戦い方を見つめることです。攻撃的に進むのか。守備で固めるのか。あなたを含めて、それぞれの役割が、どのようにチームのために力を発揮するか、考えてみるのです。

 次回、最終回は、結束力を維持するために、どういうことをすればいいのか、考えてみましょう。

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