長所は光り、やがて「強み」に変わる

 役割といっても、簡単には「私はこれだ」と決めにくいでしょう。人には7つの役割のうちのいくつかを発揮できる可能性があります。大切なことは、チームの中で発揮できている役割です。チームの状態や、困難な場面などに、あなたが発揮できる役割を考えてみてください。

 また、この役割は、信頼を築くためにやってきた互いの長所から発展させていくこともできます。

 長所は、誰でもありますが、自覚するだけでは、十分に発揮されません。自分の長所を認めてくれる人がいて、はじめて十分に発揮されるのです。認めてくれる人が多ければ多いほど、長所は光り、やがて「強み」に変わります。これが、【助け合えフォーメーション】へとつながっていくのです。

 リーダーは、メンバーの長所の活かしどころを探してください。

 大きく分けて、2つのタイプで考えると、長所の活かしどころが見えてくると思います。一つは、自ら夢を抱いて、共通の目標をメンバーと議論して定めながら、チームの進む方向を打ち出していくタイプ。もう一つは、夢を形にしていく方法を考えるタイプです。

「ビジョンを描いて語る人」、「そのビジョンの実現を考える人」と言ってもいいでしょう。

 このように大きく2つに分けることで、長所の活かし所を見つけやすくなると思います。そこの場面で、自分の力を発揮したメンバーは、そのことを忘れることはありません。チームの役に立ったことを実感するはずです。実感してもらうように、活躍を認め、讃えていくことです。

 さまざまな経験の中から、「このチームでは、自分はこういう場面で、こうした役割を期待されている」と、わかってくるはずです。メンバーがそうした意識を持って、前進していくことが、結束力をさらに高めていきます。

 戦えるチームは、共通の目標に向かって、信頼関係を築き、助け合えるフォーメーションをつくることで、具体的な成果を出しながら、前進するのです。