若い頃に比べ、体重は増加して、コレステロールも血圧も高い。健康診断の度に運動をしろといわれているが、もう何年もまともに身体を動かしていないし、ジョギングは苦しそう――。
そんな人には、スポーツタイプの自転車がうってつけです。
ピチピチのレーサーパンツに派手なロゴ入りジャージ。街中を宇宙人のようなウェアを着て走り抜ける愛好者を見ると、「とても自分にはできない」と思うかもしれません。でも、どうかご安心を。格好はともかくとして、自転車で痩せた人の中には、運動神経ゼロで、何年もスポーツとは無縁だった人がたくさんいます。
本特集では、子どもの頃から運動音痴で、何年間も運動をしていなかったのに、自転車に乗ることで運動の楽しみを知り、1年間で12キロも痩せた30代女性や、高血圧、高コレステロール、動脈硬化が改善し、3年で体重が84kgから58kgにまで減少した50代男性などのケースを紹介しています。
数年前からスポーツタイプの自転車はブームになっていましたが、東日本大震災以降、さらにそれが加速しています。電車が動かないなか、移動手段として見直され、また環境にもよいというのが、その理由のようです。
そして、支持される最も大きな理由が、「楽に健康に痩せられる」というものです。スポーツ整形外科医の蔵本理枝子さんは、自転車のメリットとして「負荷が少ないこと」を挙げています。蔵本さんなどの専門家に、自転車がなぜカラダに良いのか、正しい乗り方はどのような乗り方なのかを指南してもらっています。
さらに中級~上級者向けには、長距離サイクリングに最適なコースと秋の自転車イベントも紹介しています。自転車で健康になれば、仕事力も高まります。特集に登場していただいた原田泳幸・日本マクドナルド会長は、自転車愛好家の1人ですが、ビジネスマンが健康を管理する意義についても、語ってもらっています。
では、さっそく自転車に乗りたいが、何を買ったらいいかわからない――。そんな人のために、予算別のおすすめ自転車も紹介。また、自転車やパーツには数十万、数百万の物も多いのですが、その価格差の理由も解説しています。
さらに、自転車部品メーカーシマノ、世界の高級自転車市場を席巻する台湾企業ジャイアントの強さの秘訣はどこにあるのかや、ハイテク部品を製造する知られざる日本企業なども紹介しています。
ぜひこれを機に、自転車に挑戦して欲しいですが、くれぐれもヘルメットを着用して安全には気を遣ってください。日本の道路事情は、自転車利用者にとって優しいとは言えません。特集では、その辺の事情も紹介しています。
行楽シーズンの秋、この特集を片手に、自転車ショップを訪れてもらえればと思います。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 清水量介)