弁護士は夫と話した内容の一部始終を漏れなく報告してくれる…望さんはそう思い込んでいたようです。もちろん、夫の言葉を録音して望さんにそのまま聞かせることも可能といえば可能でしょう。

 しかし、後で分かったことですが、夫はあろうことか弁護士に対しても傍若無人の数々をしでかしており、妊婦の望さんの耳に入れるにはあまりにも酷な暴言が数多く含まれていたのです。例えば「闇の病院で中絶してくればいい!」「精神的に追い詰めて流産させよう!」「あいつらは車で引き殺されてしまえばいいんだ!」などですが、弁護士の判断で胸にとどめておいたようです。

男女トラブル以外に
相談トラブルも抱えるのは本末転倒

 弁護士からの報告書が簡素だったのは、夫の暴言をすべて削除したからですが、報告内容が少なすぎて望さんに不信感を持たれてしまったのですから、残念としか言いようがありません。いずれにしても弁護士が良かれと思って依頼人に「一部を報告しない」こともあり得るということは、念頭に置いておいた方がいいでしょう。

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 望さんは一歩間違えば、2人目の弁護士、3人目、4人目という具合に転々とする「弁護士難民」になるところでした。過去のモラハラやDV、不倫等のトラウマを何度も話すのは苦痛以外の何ものでもありませんし、せっかく父親に工面してもらった手付金20万円が無駄になるだけでなく、夫から生活費をもらえるようになるまで、日々の生活費についても父親に負担を強いるようでは会わせる顔がないでしょう。

 このように弁護士を何度も替えるのは時間的にも金銭的にも、そして心理的にも無駄でしかありません。今現在、巻き込まれているトラブル(望さんの場合は生活費の未払い等)だけでなく、相談相手との間でもトラブルを起こし、二重、三重にトラブルを抱えるのは本末転倒ですので、1人目の専門家との間できちんと人間関係を築き、安心して任せて、解決に導いてもらいたいところです。