為替についてはヘッジありのものもあれば、ヘッジなしのものもあるが、これ自体はあまり気にし過ぎる必要はないだろう。これらを積み立てで投資をしていくのも決して悪くない。

外貨建て商品に
気を付けよう

 このように、海外株式に投資する商品というのは極めてシンプルで手数料も安く、手軽に売買できるものがそろっている。にもかかわらず、多くの金融機関が外貨建ての複雑な商品を熱心に勧めてくるのは、ほぼ金利がゼロに近い円商品よりも、「金利の高い外貨建て商品」の方が、厚い“利ザヤ”を稼げるからだ。

 いつも筆者が主張しているように、こうした金融機関の営業行為を「悪質」だと決めつけるのはよくない。彼らは彼らで、収益を上げなければならない立場なのだから、顧客に良かれと思う商品を設計し、それに高い手数料を上乗せして販売しているだけのこと。意図的に顧客をだまそうとか、損をさせようとかしているわけではないのだ。

 しかしながら、これはあらゆる金融商品に言えることだが、できるだけシンプルなものの方が顧客にとってはいい商品だというのも真実である。

 やっかいなのは、海外については情報も少ないし、よく分からないから、専門家に任せる方が良いと考えてしまうことである。これはまさに行動経済学における「ヒューリスティック」に他ならない。

「これからは通貨分散が必要だ」という一見もっともらしい勧誘文句についつられて、やたら手数料の高い商品を買うことがないよう、投資家、消費者自身が注意すべきなのである。

 最後に繰り返しになるが、「外貨を持つこと」と「外国資産を持つこと」は明らかに違う。そのことをぜひ知っておいてもらいたい。

(経済コラムニスト 大江英樹)