「文章が苦手。書いている時間がツラい。メールも企画書もできれば書きたくない…」
「最初の1行を書き出すまでに、ものすごく時間がかかる…」
「文章がうまく伝わらない。しゃべって伝えることはできるのに…」
「書き直しを何度も命じられて、いつまで経っても書き終わらない…」
「数千字のレポートなどは、文字が埋まらなくて苦痛だ…」

そうした文章を書く人の悩みを全て解決する注目の新刊『10倍速く書ける 超スピード文章術』が、発売間もなく重版が決まるなど、大きな話題を呼んでいる。本連載では、そのエッセンスをたっぷり紹介する。

今回は、文章に苦手意識がある人や、「書くのが遅い人」の多くに共通する「思い込み」を解消する方法をお伝えしていく。

「文学」と「実用的な文章」の違いを
誰も教えてくれない日本

かつて文章を書くのが大嫌いで、300字書くのに丸1日かけていた私が、「1時間で3000字の記事」や「5日で1冊の本」をスラスラ書けるようになったのは、1つの大きな「気づき」がきっかけでした。

それは、「文章とは、かくあるべし」「うまい文章を書かなければいけない」などという「うまい文章」の呪縛から脱却したことです。

子どもの頃であれば、作文コンクールで賞を獲得するような、同級生の立派な作文や読書感想文。大学や専門学校の頃なら、ロジカルで硬質、難解で知的な香りが漂うような、論文やレポート。社会に出たあとは、新聞の社説やコラム、ビジネス雑誌の文章、さらにはプロのエッセイなど。今では、表現力豊かな作家の文章を、ブログやメルマガで手軽に読むこともできます。

あなたはこれまで、そういう文章を「うまい文章」「あるべき文章」としてイメージしてきませんでしたか?

私も、かけ出しのコピーライターだった頃は、なんとか「うまい文章」を書こうとしていました。求められているのは、プロのような表現力豊かな文章だと思い込んでいた。でも近づけなくて、苦しんでいた。

ただ、それは仕方のないことだとも言えます。学校でも、社会人になったあとも、「社会で求められる文章」や「ビジネスで必要な文章」を学ぶ機会がないからです。

そうすると、身近で、最もよく接する文章が「お手本」になりやすい。その典型的なものが新聞や雑誌、または好きな作家の文章ということになるのだと思います。

もちろん、記者や作家の文章を否定するつもりはありません。ただし、あれは、プロの書き手が毎日のように批判にさらされながら磨き上げてきた「職人技」の文章です。すぐにマネできるようなものではない。すぐそばにある文章ですが、「お手本」にするにはハードルが高すぎる。

そこが怖いところです。マネしたくなるけど、簡単にはできない。だから、時間がかかるのです。

「ちょっと何言ってるかわかんない文章」に共通する3つの落とし穴文章は「何言ってるかわからない」と思われたら致命的

そして、「うまい文章の呪縛」にかかると、もう1つ、大きな落とし穴にハマることになります。