Photo by Kazutoshi Sumitomo

──昨年6月、東芝顧問からJVC ケンウッドに移り、今年5月に社長に就任した。現状をどうとらえているか。

 この4年間を振り返ると、大規模なリストラやディスプレイ事業の撤退など構造改革を推し進めてきた。その結果、売上高は大きく減少し、業績は厳しい状況が続いていた。だが、ようやく身の丈に合った事業規模になった。これからは右肩上がりの成長に向けて、新たな戦略を実行していくフェーズになったととらえている。

──成長に向けた取り組みは。

 日本ビクターには映像と音、ケンウッドには無線通信など、優れた技術が数多くある。まずは、それらを整理した。約200人のエンジニアたちとも話し合った。そして、これから必要とされる技術のロードマップを策定した。

 また、過去に開発した技術の掘り起こしも進めている。じつは優れた技術が世の中に出ないままファイリングされている。たとえば1980年代後半に開発された技術には、画像の一部をタッチすると触れた部分の画像がズームアップされるといったものがある。今でこそ理解される技術だが、当時としては早過ぎたのだろう。

 こういった技術のことを、しまっておいたうまい話ということで“しまうま”と呼んでおり、「プロジェクトゼブラ」と名づけて掘り起こしに取り組んでいる。