ガソリンやディーゼルなど伝統的な内燃機関車への逆風が止まらない。
英国とフランスが今年7月、2040年までに内燃機関車の販売を禁じる方針を表明したのに続き、中国も禁止の検討に入ったことが先週、一斉に報じられた。
国営新華社通信によれば、中国工業情報化省の辛国斌次官が9日、天津で開かれたフォーラムで、英仏などの政策を踏まえ「われわれも同様の検討を始めた。わが国もロードマップを作っていくことになる」と述べたとされる。
世界最大の新車市場である中国から仮に内燃機関車が締め出されれば、日系メーカーへのインパクトは計り知れず、あるメーカー幹部は「次官発言の真意をすぐに現地に確認させた」と明かす。
次官発言はあくまで検討段階にすぎず、その実現性は不透明だが、中国共産党大会前の発言だけに「党の決定事項である可能性を否定できない」と、関係者は戦々恐々としている。中国は早ければ来年にも自動車メーカーに一定の電気自動車(EV)などの販売を義務付ける方針であり、国策としてEV産業強化の方向で進むのは間違いない。