小型店ゆえに品目数も絞らざるを得ない。標準型のドンキは2000~3000平方メートルという売り場面積に、実に4万~6万品目という品ぞろえがある。このため、どことなく雑然として、ジャングルを回遊するような雰囲気がある。

 驚安堂も当初、ドンキの品ぞろえを反映しようとして自転車や、小型家電も販売していた。しかし、どれも売り場スペースの制約から中途半端にならざるを得なかった。

 詰まるところ、小型店というのはショートタイムショッピングを実現する場なのである。その典型がコンビニだ。短時間で買い物を済ませられる、3000~3500という商品数を踏まえての売り場作りとなる。

 コンビニは売り場も整然としており、欲しい商品が短時間で見つかるし、品ぞろえは1ヵ月も行かないと相当変わっていることが分かる。しかも独自商品を強化しており、日々新鮮さを与えている。高度な運営システムもバックにある。

ドンキの標準店の強さは
「究極の個店主義」

 一方、ドンキの標準店の強さの背景には、「究極の個店主義」がある。仕入れや品ぞろえの権限を大胆に個店に委譲し、本部は店舗のサポートに回る方式だ。地域の競合店や消費者の嗜好をよく知る店舗自体が、主体的に仕入れをして運営をするのである。

 それを小型店で実践しようとしても、ロットがまとまらず、仕入れ力も発揮できない。小型店ではドンキがコンセプトとしている“祭り”感を演出するのは難しいというわけだ。

 そこで驚安堂はスタート当初に比べ大きく違う方向に舵を切り、今度は地域密着型のディスカウントスーパーとして再出発している。時流をとらえた観はあり今後が注目されるが、「安売り」というドンキの存在理由はそのままに、ドンキの「成功体験」の呪縛から解放されることが、小型店事業を成功するカギを握っているのといえるのではないか。