警察が見回っても、「親戚を迎えに来た」「車内にいるのは友達だ」と逃げ口上を述べて逃げてしまう Photo by K.H

 筆者は、警察官にすでに目撃した二つの家族の話を伝えた。そして中国では、スマホのアプリで白タクによる「送迎サービス」や「観光案内」が“販売”されていることも加えた。客の送迎を有償で行うのは白タク行為、ましてや観光案内を行うなどは法律違反である。

 すると、この警察官は数分を置かずして、現場に向かっておもむろに歩き始めた。助手席のウィンドウを下げさせて、車の中に首を突っ込みながら一台一台、職務質問を始めた。

 1時間後、この警察官に「白昼堂々の駐車違反の正体」を尋ねた。すると「中国人が多かった」と言う。「けれども」とこの警察官は続けた。「みんな異口同音に『家族を迎えに来たと』言っている」

 それは白タクの常套手段である。「親戚を迎えに来ただけ」「車内にいるのは友達だ」「お金なんてとってない」は彼らのお決まりの逃げ口上であり、こう言えば警察も突っ込めないことを知っているのである。

インバウンドの
“死角”で進む脱法行為

 日本では目下、国土交通省を筆頭に、観光庁や日本政府観光局などが外国人観光客の誘致に取り組んでいることは周知のとおりだ。「2020年には4000万人」という数値目標を掲げているが、外国人客が来れば来るほど“闇”のビジネスもまた肥大する。

 このような白タクの存在を警戒するのが、日本のタクシー業界である。タクシー会社を経営する53歳の男性は次のように語る。

「これはタクシー業の領域であり、観光業の領域だ。その領域でモグリの業者が増殖しているとは」とあっけにとられる。日本のタクシー業界は規制緩和で参入が相次ぎ、タクシーの数が増えすぎている。それに加えて中国人白タクの“やりたい放題”だ。「日本の市場はメチャクチャになってしまった」と、この経営者は語る。