白タクだけではない。無資格ガイドの跋扈も同類の問題だ。近隣の迷惑を何とも思わない“ブラック民泊”も懸案だ。QRコード決済を利用してのマネーロンダリングの危険性だって高まっている。インバウンドの死角では、一部の外国人が日本の法律を何とも思わず、私腹を肥やしているのが実態だ。

 筆者は、インバウンドを推進する関係当局のある人物に、「現状を放置していては国民が安心して生活できないし、正規の事業者が打撃を受ける」と訴えたことがある。そのとき、この人物は次のように回答した。

「だったら、国民が声を上げるしかない」

 こうした不正が白昼堂々と行われるまでに、外国人客を増やした旗振り役こそおたくたちではないかと唖然とした。だが、こうなった今、実際に私たちも声を上げていくしかない。

 警察への通報も「声を上げる」ことの一種のアクションである。たとえそれが“いたちごっこ”の不毛な闘いであったとしても、やらないよりやった方がいい。

 銀座8丁目の高速道路下は、中国人観光客を乗せた観光バスの“たまり場”であるが、駐車違反が行われるたびに誰かが警察に通報するらしい。警察も「通報を受けたからには、(観光バスを)どかせないわけにはいかない」と、取り締まりに乗り出していた。

 怒涛のように押し寄せる外国人客と、それに伴う新手の脱法行為。私たち日本人ももはや「のほほん」としていられなくなった。外国人客を歓迎する一方で、私たちは 好き勝手な“闇ビジネス”を許してはならない。

 「インバウンド」が、日本の秩序維持にこれほどの影響を及ぼすとは予想外の展開だ。速やかな法(条例)整備と、取り締まりの強化が待たれている。

(ジャーナリスト 姫田小夏)