FFミラーは視野が広いため、ATMののぞき見防止や、駐車場、エレベーター、通路などの衝突防止用として広く使われている。また、円柱に貼っても歪まないFFミラーも開発し、「第26回中小企業優秀新技術・新製品賞優良賞」(りそな中小企業振興財団)を受賞し、特許も取得した。

 凸面ミラーも開発しており、軽くて丈夫なアクリル製で、寿命も半永久的。天井や天井近くに設置し、店舗内の顧客確認、T字路や十字路の衝突防止などに活用されている。

ユーザに役立たなければ
商品は売らないという信念

世界の航空機がこぞって導入する日本製「気くばりミラー」とは?
世界の航空機がこぞって導入する日本製「気くばりミラー」とは?通称「気くばりミラー」は、金融機関のATMや駐車場・エレベーターなどでも活躍

 コミーには「無料貸出制度」がある。商品を購入する前に実際に現場に設置し、使い勝手や利用価値を顧客に確認してもらうためだ。

「我々は鏡を売ることが仕事ではなく、安全と安心を提供することが仕事です。そのためには、最終ユーザの声が何より大切で、実際に使ってもらって、役に立つのかどうか明確にならなければお売りしません。過去に同じような使用環境と商品の事例があれば、販売するときに成功と失敗の事例を一緒にご紹介します。こんな使い方をしたら誰もミラーを見ず、衝突事故が起きかねないという情報も重要だからです」と小宮山は語る。

 コミーではミラーをつくり始めて以来、販売後のフォローを行うことが社員の義務となっている。納品後に現場を訪れ、目で利用状況を確認すると共に、エンドユーザから聞き取り調査を行う。飽きることなくそれを続け、商品を改良してきたのがコミーの歴史だ。

 2014年末に東京都立葛飾ろう学校から無料貸出制度を利用したいとの連絡があった。廊下で人同士が衝突する事故が起きたので、対策を検討しているとのことだった。ちょうどこの頃から、コミー社内では障がい者にミラーが役立つのではないかという声が上がっていた。

 そこで、担当が現場を訪ね、教職員と相談しながら設置箇所と最適の商品の選定を行った。その結果、9ヵ所に18台を設置するという話になったが、予算の関係で1~2ヵ所しか導入できないという。

 そこで、コミーは無償でFFミラーを寄贈。小宮山と担当がその後確認しに行ったところ、衝突どころかヒヤリとする場面もほとんどなくなり、廊下を走る児童・生徒も減ったという。ミラーを見ると安全を意識するようになったためだ。ミラーは好評で、その後も追加設置され、最終的に22台を寄贈した。