ニトリ出店加速も同一商圏でのカニバリと人材難の懸念6月末には都心最大級の店舗を渋谷でオープン。今後も都心部での出店が増えていきそうだ Photo by Hiroki Matsumoto

「店舗数は500店舗を超えようとしている。本当に夢のような気持ちです」(似鳥昭雄・ニトリホールディングス会長)

 家具・インテリア製造小売りの最大手であるニトリの店舗数が10月上旬に500店舗に達しようとしている。

 ニトリは現在、2003年から32年までの第2期30年計画(目標は3000店舗、売上高3兆円)の中間地点に差し掛かっている。創業50周年を迎える節目の今年に、500店舗を達成することは以前からの目標だった。

 急成長を下支えした要因の一つは、11年から始めた新業態の「デコホーム」にある。生活雑貨が中心の小型店舗で、年間出店数は右肩上がりで増えている。国内合計450店舗のうち、デコホームはすでに約60店舗と1割以上を占め、さらに今後3年間で100店舗に拡大する。ちなみに500店舗目となるのも、神奈川県のJR川崎駅前のデコホームの予定だ。

「従来の大型店は出店余地が減る一方で、都市部の駅近ニーズが高まっていることから、国内はデコホームをさらに増やしていく方針」(ニトリ)という。

 小売業を取り巻く経営環境は厳しさが続くが、ニトリは30期連続の増収増益を続けており、22年の目標に掲げる「1000店舗、売上高1兆円」に向けて出店をさらに加速する構えだ。