熱心なのに好かれない「残念な上司」の3欠点

いつも忙しく行動して、部下への思いやりもちゃんと示しているのに、どうにも人望がない上司がいる。それは、なぜなのか?そもそも上司とはどう行動すべきなのか?ハーバード、スタンフォード、MITなどの膨大な研究成果から、もっとも合理的な働き方を提示して話題となっているベストセラー『SINGLE TASK 一点集中術』では、残念な上司の典型的な「勘違い行動」を紹介している。本書からその内容を特別公開する。

【欠点1】大事なところで「遅刻」する

 先日私は、ニューリーダーを育成する研修の進行役を務めた。目的は、ある企業の幹部に就任したばかりのリズが、前任者から引き継いだ総勢30名のチームとの信頼関係を深めることにあった。

 リズが私に研修の依頼をしてきたのは、自分がリーダーとして率いるチームと意思疎通をはかりたいと考えたからだ。そこで彼女は、わざわざ時間と人的資源を投入し、オフィスとはべつの場所で一日がかりの研修をおこない、部下たちと強力な信頼関係を築くことにしたのである。

 研修は午前9時きっかりに始まった。ところが当のリズが、45分遅刻した。

 彼女は息を切らして会場に到着し、「オフィスをでようとしたところで、トラブルが発生したもので」と言い訳をした。それが不吉な前兆だった。