「今やシートマスクは一枚100円以下の商品が登場しているが、多くは韓国コスメ。気軽に試せることから、これをきっかけに韓国コスメに慣れ親しむという人が増えてきた。まだまだ伸びる余地が大きい」(韓国コスメの輸入業者)
韓国旅行のお土産の定番と言われてきた「韓国コスメ」だが、日本市場で根付き始めている。強みである「安さ」に加えて、自然派化粧品や食品成分配合など日本以上に豊富なラインナップが人気を集めているのだ。そして、この1、2年は韓国メーカーが日本での本格進出に乗り出してきた。単一ブランドの店舗を出店する動きがあるほか、スーパーや薬局での取り扱いも増えており、身近に感じる読者も多いのではないだろうか。
韓国コスメは2000年ごろから徐々に注目を集めてきた。ブレークしたのは2008年。オールインワンタイプの化粧下地である「BBクリーム」ブームが巻き起こり、ドラマやタレントの韓流ブームもあって、韓国コスメの認知度は一気にアップした。1990年代にはほぼゼロだった韓国からの化粧品の輸入額は、現在では100億円弱に拡大している。小売ベースでは数百億円規模になっている。現在は気軽にスーパーや薬局、ネットで購入できる。
では、なぜこれほど人気になったのか。
まずは価格が割安なことがある。「同じ品質の日本の商品に比べて、平均すると30%くらい安い」(韓国コスメを企画・販売するファニーケイー)とアピールする。また最近のウォン安で一層、価格が低下しており、日本では300円程度が相場のシートマスクを、冒頭のように100円で販売する店舗も登場し、人気を牽引している。
オークション調査会社のオークファンによると、新品・中古品を含めたオークションでの韓国コスメの取引状況は、「コスメ全体の平均落札額2398円に対して、韓国コスメは960円と安い。またお試し品、サンプル品の取引も多い」という。価格が安く、サンプルが充実しているため、試用することへの抵抗感も少ないのだろう。
安いからためらいなく試用してみて、品質や使用感を確認し、常用するという女性が増えているようだ。「日本製の化粧品に比べて保湿成分の量が多い。ナチュラルコスメが多いのも特徴」(薬事コンサルの藤田忠男・有限会社分子代表)と分析する。最近はブランドにこだわらず、自分の肌質にあった化粧品を選択する女性が増えていることも、人気を後押ししているようだ。
こうした追い風に乗り、日本に正規代理店を置く動きが活発になっている。その多くは特徴のある商品群を売りにしている。