・ザ・晴海レジデンス 現在のm2単価:78万円、新築時からの値上がり率:24.7% (事例数: 551件)

・晴海テラス 現在のm2単価:80万円、新築時からの値上がり率:25.7% (事例数: 587件)

 分譲マンションは価格を下げれば飛ぶように売れるものだ。分譲価格がいくらになるかは売主の腹づもり次第だが、今回の場合、もし1戸当たり800万円割安で分譲されれば、倍率が付いて買えない人が続出することになるだろう。たとえ未曾有の大量供給だろうと、価格が1~2割安い事態になれば様相は全く違ってくる。

シティタワー品川の再来か?
割安・大量供給物件のインパクト

 東京都が絡んで割安な分譲物件が供給されると聞くと、思い出す物件がある。シティタワー品川だ。2008年に竣工と同時に販売されたこの物件は、1日で828戸が完売状態になった伝説の物件である。

 東京都が地主の定期借地権で民間分譲された物件であるが、現在のm2単価は76万円で、新築時から107.7%(事例数: 513件)値上がりしている。つまり、価格が2倍以上になっている。現在5700万円で成約する専有面積75m2の物件が2750万円で売り出されたのだ。値上がり益3000万円は譲渡所得控除の範囲なので、無税で転売益が得られる。このため、自宅として住むことしか許されず、5年間売却禁止という制限が加えられた。

 なぜこんなに安く売られたかと言うと、この計画は相場が上がる前に東京都議会で販売価格も決まっていたために、販売時期以外は変えられなかったためだ。この事業者である住友不動産は自社のワールドシティタワーズの販売在庫を残していたので、竣工まで販売時期を最大限延期している。

 売り方も異例で、殺風景なホームページに申込み要項が書かれているだけの不親切なものであった。それでも価格が格安だったので、平均17倍で即日完売し、抽選となった。申込者は約1.5万人に及んだ。たとえ4100戸を一時期に供給したとしても価格が安ければ瞬間蒸発することになる。

 今回の物件はこの事例に近く、転売で多額の転売益を生む可能性がある。土地を安く払い下げた場合、誰かに利益が生まれる。今回は公開抽選で誰にでもチャンスが生まれる可能性が高い。分譲時期はパラリンピック後になるが、今から注目に値する物件である。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖有人)