旅の記録をSNSに投稿
知識やうんちくがとにかく凄い!

「この知識量は凄い……」

 上海出身の男性(39歳)がSNSに旅の記録をアップするたびに、私は夢中になって読むようになった。彼は昨年9月から1年間、仕事のため日本に滞在していたが、その間の旅行は3泊以上のやや長めの旅行だけでなんと19回。彼が日本全国を歩いて書いたSNSの旅日記には、こだわりや蘊蓄が散りばめられていたからだ。

小津安二郎が愛した「茅ヶ崎館」

「小津安二郎が定宿にしていた旅館『茅ヶ崎館』。趣のある部屋を見せてもらい感動した。まるで古い日本映画のワンシーンにタイムスリップしたかのようだ」

 日本映画の巨匠、小津安二郎が名作『晩春』や『東京物語』の脚本を執筆したといわれるお気に入りの部屋や旅館の調度品などを撮影し、SNSにコメントをつけていた。一見すると地味な投稿だが、さりげなく蘊蓄も披露されている。

 例えば、小津はよくスタッフや俳優たちにお手製のすき焼きをふるまったそうだが、何度も同じ部屋ですき焼きをしたせいで、天井には黒い油染みがついている。その貴重な写真も添えて説明をしているのだ。

 思わず「へぇ~」と唸らされる。

広島の車両倉庫

 広島を訪れた時には路面電車の車庫に入ってみた時の様子を詳細に紹介している。「ちょっとした鉄ちゃん」を自認する彼。中国では車庫の見学はできないので、ワクワクしたそうだ。車両に愛着を持って呼びかけたり、引退する車両に労いの言葉を掛けたりするのは日本人ならでは。