オプションの数が、いざという時の強さの決め手

 経営幹部向けにコンサルティングする場面では、よく私は「変化対応力を高めるために、オプションを増やしましょう」というお話をしています。

 ここでいうオプションとは、手持ちの実行可能な選択肢のことです。

 たとえば、有名な武道家であるブルース・リー氏は、弟子の一人から強さの秘訣を聞かれた時に、こう答えたそうです。

 「オプションを増やせ」と。

 つまり、自分でうまく使いこなせる技の数と種類を増やしておくのが大事だということです。数少ない技しか持っていなければ、それだけ勝てる確率も下がります。

 それが、とっさの瞬間に、相手や状況に応じて使える技の数や種類が多ければ、その中から最適の方法を選べばいいのですから、おのずと勝率も高まるでしょう。これが、彼の強さの秘訣だったのです。

 とはいえ、そのためには、日頃から技を増やすために研究し、その技をうまく使えるように練習しておくことが前提となります。

 これが、運命の扉を開けて「選ばれる人」になるのに有効な考え方です。

 つまり、運命の扉を開ける方法を、どれだけ数多く知っているか?とっさの場面で使いこなせるように準備できているか?目の前にチャンスがやってきた瞬間に、どれだけ柔軟にうまく対応して、そのチャンスをつかめるか?

 それが、「選ばれる人」になる確率を高めるのです。

 もちろん、そのためには、日頃からさまざまな分野の情報収集をして視野を広げておき、たゆまぬ努力をして知識やスキルに磨きをかけ、いざというときに協力を頼める人脈や人間関係を作っておく…。

 その努力の成果が、第1回からずっと説明してきた「オーディション」の場面で試されるのです。

 オーディションの審査場面では、付け焼刃のようなテクニックでは通用しません。

 ですから、『選ばれる人になる34の習慣』でご紹介しているとおり、「習慣」として、バランスのとれた行動をコツコツと積み重ねていくことが、「選ばれる人」になる王道となるのです。

 では次回は、この「オーディションで選ばれる人」になるために、日頃からどのような努力をしておくべきか?特に重要な習慣についてご紹介していきましょう。

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