「選ばれる人」から、「選ばれ続ける人」へ

 この連載では、第1回「人生は、毎日がオーディション」という切り口から始まり、ヤリガイのあるいい仕事を手に入れるために、社内オーディションで「選ばれる」条件をご紹介してきました。

 第6回ではチャンスの見つけ方を、第7回ではチャンスを実力と実績に変える方法をご説明して、今回がいよいよ最終回です。そこで最後は、チャンスを一度だけではなく何度も繰り返しつかんで、「選ばれ続ける人」になる方法をご紹介していきましょう。

なぜ彼が担当する仕事は、次々にうまくいくのか?

「御社では、担当する仕事を次々に成功させて、高い業績を上げる人がいらっしゃいますか?」

 組織変革や人材開発をテーマにしたコンサルティングを受託すると、よく私はその企業で「ハイパフォーマー(高い業績を上げている人)」と呼ばれている人たちに関してインタビュー調査をしていきます。

「ハイパフォーマー」の仕事ぶりや、判断する際の考え方などを詳しく分析してみて、その業務で高い実績を出すポイントである暗黙知を見出すことがその目的です。そのポイントを明らかにして、「デキる人だけがやっている秘密の方法」を、「みんなが同じようにうまくできる標準的な方法」に変換して、それを社内で普及させれば、その会社全体の業績を高めることができるのです。

 ある一定以上の規模の会社では、周囲の誰もが認める「ハイパフォーマー」がいます。創業まもない小企業の場合は、社長自身が「ハイパフォーマー」であるケースも見受けられます。そして彼らは、同僚たちから、このように思われているようです。

「なぜ、彼が担当する仕事は、次々にうまくいくのか?」

「ハイパフォーマー」だからこそ、次のチャンスを引き寄せやすくなるし、同時にチャンスを引き寄せるのがうまいから、「ハイパフォーマー」として活躍し続けられるようです。

 とはいえ、ずっと「ハイパフォーマー」であり続ける人たちの中には、他の人が知らない秘密が存在していることがわかりました。