鳥居薬品は最短で18年4月の薬価収載を目指すという。薬価収載されてすぐに流通開始したとしても、アレルゲン免疫療法は「スギ花粉のオフシーズン」に始める必要があるので、19年シーズン以降に対応したものとなる。

見送った本音は?

 薬価収載を見送った理由について鳥居薬品は、「販売準備に時間を要する」「詳細は差し控える」などとしている。これに対し、一部の業界関係者は「厚労省と薬価の折り合いがつかなかった」というビジネス的な理由があるとみている。というのも前回の舌下液の際も折り合いがつかず、鳥居薬品は薬価収載を見送った経緯がある。

 業界関係者によると、通常は承認後すぐに薬価収載し、流通を始める。「限られた特許期間にできるだけ商機を確保しよう」という発想からで、承認時期を見越して販売準備をするのは「ビジネスとして当然」(前出の関係者)。

 翻って薬価収載を見送るのもビジネス的判断。薬価収載が決まるまでの厚労省との協議の中で、「想定した薬価が付かなそう」と分かれば、いったん見送るのもアリなのだ。製薬会社は薬価を上げてもらうため、革新性などを評価してもらう対策を練る。

 このケースでも製薬会社の理屈は「患者のため」。ある新薬でもうからなければ次の新薬の研究開発費を生み出せないという理屈だ。

 ただそこまで分かる国民は少数派。薬価収載見送りは「患者不在の企業判断」という負のイメージを与えかねない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)