「コネクテッドで自動運転が高度化する」「交通需要マネジメントが進んで渋滞がなくなる」「カーシェアをやりやすくなる」――。

 こうしたステレオタイプの主張が多くのメーカーのブースでオウムの物真似のごとく垂れ流されていた。それ以上のイメージはないのかと言いたくなるところだ。

 体験プログラムも操作によってリアルでない動画をイメージとして見せられる程度。3Dコンテンツを見慣れた現代の若者たちにとっては、子どもだましの域を出ないとしか感じられないであろうものばかりである。

 結局、先端技術をナマで見せて面白がってもらえるのはビジネスショーの話であって、顧客がお金を払ってクルマを楽しみに来るユーザーショーである東京モーターショーで先端技術をテーマにする場合、それで何を見せるか、無から有を生み出すようなクリエイティビティこそが重要だ。

 悲しいかな、遊びより労働を上に置くのが絶対善と考える生真面目な国民性の日本にとって、先端技術で遊びを想像するのは苦手分野。先端技術は得意分野という単純思考で勝負をかけてみたら、世間から見ればそれは苦手分野だったというわけだ。

見に来た人を
いかに楽しませるか

 筆者は2000年代、東京モーターショー事務局のインナースタッフとして、公式リリースである東京モーターショーニュースの発行に関わっていたことから、毎回会期中はずっと会場周辺に寝泊まりし、毎日ショーを見て回っていた。