みずほ銀行とソフトバンクが共同でJ.Score(ジェイスコア)を設立。人工知能(AI)によって個人の信用力を点数化する個人向け融資サービスを開始し、新機軸として打ち出した。既存の消費者金融や銀行カードローンと何が違うのか。今、再燃している多重債務者問題の懸念はないのか。銀行が中小企業の信用力を点数化し、融資判断に用いて失敗したときと同じ過ちを繰り返さないのか。ジェイスコアの大森隆一郎社長にさまざまな疑問をぶつけた。(週刊ダイヤモンド編集部 鈴木崇久)
9月25日、みずほ銀行とソフトバンクが共同で設立したJ.Score(ジェイスコア)が、新たな個人向け融資サービスを開始した。
ユーザーが年齢や学歴、年収などの質問に答えると、ビッグデータ解析に基づいて、人工知能(Artificial Intelligence、AI)が1000点満点でユーザーの信用力をスコア化する。スコアが高いほど多くの金額を低い金利で借りられる仕組みだ(詳細は前回記事、「個人の『信用力』が学力偏差値を超える社会のモノサシになりつつある」参照)。
個人情報を自ら入力し、信用力というデリケートとも思えるスコアを出すという試みに対して、どのような反響があったのだろうか。
プロモーションなしなのに
最初の1週間で3万人のアクセス
──9月25日に新サービスを開始しましたが、初速はいかがですか。
大森 最初の1週間は、あえてプロモーションをしませんでした。自分の信用力をスコア化するということが、世の中にどのように評価されるのか確かめたかったからです。
それにもかかわらず、驚いたことに最初の1週間でサイトに3万人のアクセスがありまして、その中の何千人という人が実際にAIスコアの判定をしてくれました。
今期はアクセス数の目標を12万人に置いていましたが、開始から2週間ちょっとで、すでにアクセスは8万人、AIスコアの判定をした人は5000人を数えました。
ソーシャルメディア上でユーザーが自分のスコア画面を気軽に見せ合ったりしています。信用スコアは、日本では受け入れられないかもしれないとも思っていましたが、特に今の若い人はまったく抵抗感がないようです。