しかし、報道によれば、会議では、議員からは「教育無償化に向けた財源の確保については、国民から広く薄く負担を求める税財源を原則に考えるべき」、「国の借金ではなく、安定的な税財源で賄うことだ」という発言があり、それらに異論はなかったという。

 だが、教育が投資で、投資は長期外部資金で賄うという基本がわかっていない人たちばかりだとしたら、今後、会議でいくら議論しても時間の無駄だろう。

 教育無償化は、その財源こそが最大のポイントだ。

 税を財源とするなら、かなりの増税できちんとした財源を確保するか、それができないなら、あとは支出項目を削減したシャビーな計画しかできないかだ。

 税財源によるべしという意見をいった人がそれなりの負担をするのであれば、それも一つの見識だろう。

 しかし、いまの雲行きを見ていると、安倍首相が教育無償化など約2兆円規模の政策を取りまとめるため、「産業界にも3000億円程度の拠出をお願いしたい」と要請し、産業界はその分だけは応じるという意向を表明しただけの段階だ。2兆円のうち残りの1.7兆円は消費増税を宛てる予定だ。

 しかも教育無償化を消費増税分を財源に限定したことによって、他の歳出にじわじわとしわ寄せがされることになるだろう。実際、社会保障費ではさらなる抑制の動きが出ている。

 人生100年時代構想会議が開かれた前日、26日にあった経済財政諮問会議でである。

財務省主導で
歳出削減圧力が強まる

 経済財政諮問会議は、かつての小泉政権時代はマクロ経済運営を柱とした「骨太方針」によって、政府を主導していたが、今や財務省主導色が強まり、議論の中心はミクロ経済、いわば予算の歳出削減などの話ばかりである。

 今回、教育無償化によって消費増税分の使途を変更したことで、基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の20年度黒字化の実現は困難となったという理由で、一段と、歳出削減圧力が強まっている。