『コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』の著者Shin氏と、近著『強みを活かす』が話題沸騰のサイバーエージェント取締役人事総括の曽山哲人氏との特別対談。落ちこぼれだったShin氏が、人材育成のプロフェッショナルから「成長の秘訣」に迫る! 連載第3回目は「思考力」について。そもそも思考力が高い人とはどのような人なのでしょう。(構成/両角晴香、撮影/宇佐見利明)
思考力を高める「ロジックツリー」の習慣
某外資系コンサルティングファームにて、マネジャーとして勤務する20代男性コンサルタント。大学卒業後、コンサルティングファームに就職するも、仕事がまったくできず「劣等生」の烙印を押され、うつ病寸前まで追い込まれる。退職を考えるも、最後の気力を振り絞り、落ちこぼれの自分のためのオリジナルの仕事術を考え、実践。その結果、1年後には社内の評価を一変させ、他社から引き抜きの声がかかる存在にまで成長。現在は、外資系コンサルティングファームのマネジャーとして、成長戦略業務などに携わっている。また、勤務の傍ら、月間20万PV超のビジネスブログ「Outward Matrix」を運営。若手に向けた仕事術やマインドに関する記事が評判を呼んでいる。著書に『コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』がある。
【著者ブログ「Outward Matrix」】http://www.outward-matrix.com/
【Twitter】@Speedque01
【第1回記事 https://diamond.jp/articles/-/143666】
【第2回記事 https://diamond.jp/articles/-/143829】
Shin 曽山さんが思う「思考力が高い若手」とは、どのような人でしょうか?
曽山 「ヒトコト力(りょく)」が高い人だと思います。
Shin ヒトコト力? 一言で言い表す力、ということでしょうか?
曽山 その通りです。私は、思考力の高さとは、ヒトコト力が高いことに等しいと考えています。例えば「人事とはこういうものだ」とか、「採用とはこういうものだ」とヒトコトで言い当て、なおかつそのヒトコトの影響範囲が広いと感心します。
Shin どうしてヒトコトで言い表せることが、思考力が高いということにつながるのでしょうか?
1974年神奈川県横浜市生まれ。上智大学文学部英文学科卒業。1998年伊勢丹に入社、紳士服配属とともに通販サイト立ち上げに参加。1999年、20名程度だったサイバーエージェントに入社。インターネット広告の営業担当として入社し、後に営業部門統括に就任。2005年に人事本部設立とともに人事本部長に就任し2008年に取締役就任。現在は「採用・育成・活性化・適材適所」など人事全般を手がける。社外にもブログやソーシャルメディア、著書による情報発信や人材マネジメントや組織活性化等、幅広いテーマで講演・教育活動も積極的に行っている。近著に『強みを活かす』(PHP研究所)がある。
曽山 これはつまり、物事の本質を見抜き、シンプルに考えられるということです。これを頭の中でできる人はとても優秀だと思います。
Shin たしかに、すぐに頭の中で本質を理解し、シンプルに言えればすごいですよね。こうした本質を理解するために、私は「ロジックツリー」を活用しています。曽山さんはいかがでしょうか。
曽山 私も20代の頃はロジックツリーを活用しまくっていましたよ。とにかくすべての情報を構造化していました。
Shin そうなのですね! 頭の中では難しくても、ロジックツリーで情報を整理すると、シンプルに考えられますよね。ちなみに、「20代の頃」とおっしゃいましたが、30代以降は使っていないのでしょうか?
曽山 20代でそれを徹底したことで、30代になる頃には脳内でロジックツリーを描けるようになったんです。
Shin なるほど。書く必要がなくなったわけですね。
曽山 そうですね。
Shin もしいま思考力が高くない人でも、ことあるごとにロジックツリーを活用していけば、いつかはそうして物事の本質をすぐに頭の中でシンプルに考えられるようになれそうですね。
曽山 はい。そうなれる可能性は高いと思います。