「気づく」ためには、ムダなことなどない

 また、役に立たなそうなことが、役に立ちそうなことと結びついたときに、爆発することもある。

 これまで僕も、そういう経験をたくさんしてきました。

 あるテレビ番組の企画をしていたときのことです。テレビ番組ではいつも必ず最後にスタッフロールが流れますが、それが「ひとり」だったらどうだろう、と思いつきました。

 そのアイディアが浮かんだときに思い出したのが、かつて野球雑誌で読んだエピソードでした。ある日、江夏豊投手がノーヒットノーランをして、最後に自らホームランを打って1─0で勝ったときに、「野球はひとりでもできる」と言ったという話。

 そして、タレントさんにカメラを渡し、映像を撮ってきてもらって編集をせずに流すという企画ができあがったのです。

 間違っても、「今はこれが必要だ」と自分で決めたことだけをやらないこと。

 それでは、脳は動き出してはくれません。

 気づくためには、ムダなことなどないのです。