見えた!日本経済の勝ち筋、「アンソロピック・ショック」で米中印の株価が下落しても日本は上昇したワケPhoto:SOPA Images/gettyimages

米アンソロピックが最新AIモデルを発表したことで、「AIが従来のSaaSを時代遅れにするのではないか」という懸念が株式市場に広がった。マイクロソフトやセールスフォース、アドビといった大手や、関連投資を行う資産運用会社にも波及し、世界的な売り圧力に。米国だけでもソフトウエア株の時価総額が1週間で1兆ドル(約150兆円)消失したと報じられた。AIに代替される「SaaSの死」は本当か。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)

業務ソフトがAIに代替される
「SaaSの死」とは?関連株価が下落!

 AI関連分野で、米Anthropic(アンソロピック)の注目度が急上昇している。同社が開発した、最新AIモデル「Claude Opus 4.6(クロード・オーパス4.6)」が世界に衝撃を与えているのだ。

 オーパス4.6は、数値化・言語化が可能な作業(形式知)を高品質(間違いが少ない)で、しかも高速に実行できる。同AIモデルを使うと、プログラムなどの手数がほとんど必要なくなる。そのインパクトは大きい。

 これまでもAI分野の成長は、世界のビジネスモデルに変革をもたらしてきた。今回のアンソロピックのAIモデルの登場により、ソフトウエアの開発を主な事業としてきたSaaS(サービス型ソフトウエア)企業は、存続意義を問われることになりかねない。2月の第1週、こうした先行き不透明感から、世界的にソフトウエア作成関連企業の株価が下落した。

 オーパス4.6の登場は、AI関連分野の成長がさらに加速するきっかけになるだろう。言語化、数値化できる業務は、今後さらにAIに置き換えられるはずだ。

 ただし、現在のAIは人間の感覚(センス)や経験など暗黙知に関する作業は得意ではない。文学や絵画、音楽などの芸術、コラム執筆などだ。そうした分野で、AIがヒトにとって代わることは難しい。私たちにとって、AIを効果的に使い、自己の見解を明確に表明する能力の重要性は高まるだろう。