上場廃止は免れないと目されていたオリンパスに突如、上場維持の観測が浮上。株価は反発し、買収される懸念もいくぶんだが和らいだ。こうした動きの裏には、オリンパスの救済に走る政治の介入があった。しかし、それでひと安心とはいかず、オリンパスは債務超過リスクという別の問題にも直面している。

粉飾決算に問題を提起したマイケル・ウッドフォード元社長の復帰を望む、草の根運動が巻き起こり、株主からは責任追及する請求書が届くなど、現経営陣には今後も厳しい舵取りが迫られる
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「オリンパスは世界でトップクラスの技術を持っている日本企業。外資系企業に買収されると国益に与える影響は大きい。ホワイトナイト対策が必要だ」

 オリンパス問題は一民間企業の不祥事という枠を超え、国益論争が巻き起こる政治の世界に引き込まれた。

 11月10日、民主党の財務金融部門会議(財金部会)において、とあるワーキングチーム(WT)の設置が決定した。

 それが「資本市場・企業統治改革WT」だ。オリンパスや大王製紙の不祥事を受けて、上場企業で起こった不祥事の事例を研究し、防止策を検討することで、日本の資本市場の信頼回復と上場企業の企業統治の向上を目指すというもの。海外からの批判の声を受けて現状を問題視しており、将来的に会社法や金融商品取引法の改正などに反映させることも目論む。

 その日の財金部会では、法務省や金融庁、東京証券取引所などからのヒアリングを実施。どういう問題があるか、これまでの事実関係や今後の焦点について活発な議論がなされた。

 さらにはWTの一部が騒ぎ始めているのが、「オリンパスが外資の手に渡っていいのか」という点だ。

 というのも、オリンパスの医療事業は「日本で数が減りつつある、世界で圧倒的な競争力を持つ技術」と、市場での評価は依然として高い。特に内臓の検査や治療などに使われる内視鏡においては、世界シェアの7割以上を占めるほどだ。

 水面下において、一部の民主党幹部は「中国系ファンドやゼネラル・エレクトリック、韓国勢などが買収のための調査に乗り出した」(民主党関係者)との情報をつかんでおり、「なんとしても国内の技術を外資から守る」と躍起になっている。