2010年6月、世界のトリは、それこそ鳥肌を立てて恐れおののいたに違いない。なにしろ、ビーフがメインと思っていた日本マクドナルドホールディングスが、突如チキン・ナンバーワン宣言をしたのだ。新たに「アイコンチキン」シリーズを展開し、これまでにレギュラー商品として3品、期間限定商品として7品を投入した。
マクドナルドの商品開発は、同業他社に言わせると「既存商品の食材をうまく組み合わせてできている」が、アイコンチキンはチキンパティはもちろん、バンズやソースなど、すべて一から吟味した。
こうしてレギュラー商品に加わった「ジューシーチキンセレクト」は、発売1年間の売上本数が1億2500万本にも上った。
チキンを強化しているのはマクドナルドだけではない。直火焼きビーフハンバーガーを主力商品とするバーガーキングも、チキンの商品数を倍増させ、売上高全体に占める割合を10~15%にまで引き上げる考えだ。
しかし、迎え撃つ日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)の関係者からは、「うちのCMをやってもらっているようなもの」と余裕の発言が飛び出る。実際、10年度の既存店売上高は前年度比4.2%増。今年7~9月の月間売上高はいずれも、この15年の各同月比で1、2番を誇った。