ビジネスマンもプロ野球選手も、仕事を「戦い」や「闘い」にたとえれば、自分のスキルを成熟させながら、3つの段階の戦いに直面することになる。

  それは、自分、相手、数字だ。

  学業を終えて社会に出たら、まずは業種ごとに仕事を覚え、戦力になっていかなければならない。教わるべきことは教わり、自ら考えるべきことは考え、早く仕事を任されるだけの力をつけようとしている段階は自分との闘いだ。

  正しい方法論に則って努力すれば、ある程度まで力をつけることができる。プロ野球選手で言えば、育成の場であるファームから勝負の場である一軍へ昇格し、25人のメンバーに定着していく段階を指すのだろう。

  半人前、一人前になれば、営業職なら外回りをして契約を取る。それまでに教えられたこと、経験したことを元に成果を上げようとする段階では、どうすれば相手を納得させられるか、信頼を勝ち取れるかなど、相手のある戦いに身を置く。プロ野球選手なら、どれだけ相手に嫌がられる選手になれるかを考えるのだ。