1泊2800円で高級ホテル!
トイレは共用で風呂はなし

横浜・寿町、白昼堂々の違法賭博にヤクザが闊歩する異世界(上)最近では外国人旅行者向けホテルへの転換も進んでいる寿地区のドヤ。1泊3000円は、この界隈では立派な”高級ホテル”である Photo by K.A

 事実、寿地区のイメージは変わりつつある。今、“ドヤ”と呼ばれる簡易宿泊所はホテルへの鞍替えが進んでいる。個室でプライバシーも保たれ、Wi-Fiなどネット環境も整っている。女性の宿泊もOK。1泊1800〜2200円というリーズナブルな価格から、若いバックパッカーや就活生の間でも人気だ。

 ただし、1泊2000円以下の低価格帯のところは、フリー客が1週間程度の短期間での宿泊したいと言っても予約が取りづらいという。港湾作業員を中心に長期間の予約が入っているからである。

 実際、記者も前日に宿泊予約を入れたが、低価格帯のドヤはすべて「短期の宿泊」「空き室がない」との理由で断られた。結局、1泊2800円(朝食付きで3000円)という、この地域では「高級ホテル」の扱いである、ホテル化が進んだ簡易宿泊所に宿泊せざるを得なかった。

 チェックインは15時からだったが、「掃除が終わっていれば昼からでもチェックイン可能」という。実際、13時にチェックインすることができた。

横浜・寿町、白昼堂々の違法賭博にヤクザが闊歩する異世界(上)記者が泊まったのも宿泊費が高めのホテル。とはいえ、室内を見ればやっぱりドヤ。ホテルとは言い難い雰囲気である Photo by K.A

 入ってみると、やはり簡易宿泊所。ホテルというには、だいぶ無理がある。その雰囲気は、昭和のアパートといったたたずまいで、部屋の広さはせいぜい3畳間程度だ。しかし、天井が高いので広く感じるし、チリひとつなく掃除されており清潔感はある。十分、長期滞在にも耐えられそうだ。

 トイレは共用。風呂はない。だが、代わりにコインシャワーがある。ただし、石鹸やシャンプー、タオルといったアメニティの類いは、すべて自前でそろえなければならない。

 もっとも、時間制のコインシャワーだけでは疲れが取れないと思った記者は、10分程度歩いて中華街まで出向き銭湯を利用した。

 寿地区には、かつては寿町総合労働福祉会館の2階に「扇湯」という名前の銭湯があったという。しかし、現在は閉鎖されていることから、風呂に浸かるには寿地区の外に出るよりほかはない。

 それが面倒なら風呂は諦め、町の至るところにあるコインシャワーを利用するしかないようだ。その額、5分間100円前後というのが現在の相場である。

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