オーソドクスだけれど、じつはメーカーが気合いをいれて開発するのがセダン。メルセデスSクラスがビッグチェンジをしたりしたいま、乗るべきクルマの最右翼はセダンなのだ。
そもそもメルセデスといえばSクラスというぐらいセダンが得意なメーカーだった。SUVも人気だが、やはり王道はCクラス、Eクラス、そして写真のSクラスというセダン。AMG仕様は驚くほど速い
セダンだからいい そういえることは多い
小川 もういっぽうにはV8もありますが。
松本 V8は前後長を短くできるので操縦性に寄与するけれど、振動面ではドロロ~と独特。上品さにはやや欠けるのは事実です。
小川 高級セダンを運転すると、没個性の時代といわれながら、メーカーごとの個性を感じますね。個性でいえばメルセデス・ベンツは最右翼でしょう。ふだん乗りではややあいまいに感じるステアリングですが飛ばすとじつにコントローラブルですからね。
松本 少し変わり種がロールスロイスです。中立ふきんがあいまいで、多少切っても車体が反応してすぐに曲がってくれない。慣れてくると“このへんまで切ると曲がるな”とわかってくる。車体はカーブであまりロールしない。あれもロールスロイス独自の感覚。
アウディは従来のS8プラスという大型セダンの高性能モデルがじつによかったです。高速でぴたっと安定するんです。キャビンの動きはフラットで、脚(サスペンションシステム)だけが動いているかんじ。ステアリングホイールは径が大きいけれど、レスポンシブで、かつ神経質ではない。感心していました。